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一般社団法人中日経済文化交流センターの馬理事長からのご招待を受け、同センター206会議室にて、IIAS一般財団法人代表 張紀尋が「桜の季 百年企業視察団」に対し、「日本の百年企業と職人精神」というテーマで講演を行いました。

一般社団法人中日経済文化交流センターの馬理事長からのご招待を受け、同センター206会議室にて、IIAS一般財団法人代表 張紀尋が「桜の季 百年企業視察団」に対し、「日本の百年企業と職人精神」というテーマで講演を行いました。

中日経済文化交流センターは東京都中央区明石町に位置しており、都心の中心部にある重要な交流拠点です。今後も同センターとの協力を深めていきたいと考えています。

今回の視察団は、遼寧省工商連および遼商総会によって編成され、潘副事務総長が団長として率いられました。団員の皆様は主に遼寧省の企業経営者であり、業種は環境保護、入札、プロパティマネジメント、文化・観光事業など多岐にわたります。団員の方々は、各企業の総裁、董事長、総経理といったトップマネジメント層です。

中国企業と日本企業を比較すると、まず中国企業の特徴は「若い」という点にあります。最も歴史のある企業でも創業から50年ほどです。次に挙げられる特徴は、企業規模が非常に大きく、成長性に富んでいるという点です。

講演は、団の皆様が他の予定の合間を縫ってわざわざご参加くださったため、私自身も誠意を込めて準備を行い、100枚以上のPPT資料を作成いたしました。しかし、時間の都合により講演は2時間で終了し、残りの資料は視察団の皆様にお渡しし、帰国後の学習用としていただきました。

講演では、日本の百年企業に加え、中国の百年企業についても簡単に紹介しました。中国本土には現在約9社の百年企業が存在しています。一方、香港特別行政区には多くの百年企業があります。

例えば、招商局集団は1872年に直隷総督・北洋大臣であった李鴻章によって創設されました。洋務運動から現代に至るまで、この企業はまさに“巨大企業”の典型であり、傘下には109の子会社(上場企業10社、非上場企業99社)を持ち、総資産・利益・純利益においては中国中央企業の中でトップクラスを誇っています。

その他、開灤集団、交通銀行、上海機械織布局、江南造船所なども百年企業であり、これらの多くは李鴻章が北洋大臣であった時代に設立されたものです。

日本の新紙幣1万円札の肖像である渋沢栄一と比較すると、渋沢氏は500社の企業創設に携わり、「日本資本主義の父」と呼ばれています。同様に、李鴻章もまた北洋運動の推進者であり、中国近代産業の礎を築いた人物です。ただし、両者には明確な違いがあり、渋沢氏は30代で財務省(旧・大蔵省)を辞職し、民間の企業家としての地位向上に力を注ぎました。一方、李鴻章は終始清朝の政治家として、政府の立場から洋務運動や改革を推進しました。

今回の講演を通して、新たな研究テーマにも気づくことができました。

馬理事長のご推薦に深く感謝するとともに、視察団にご参加いただいた民間企業家の皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

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